TOTO株式会社(本社:福岡県北九州市、社長:清田 徳明)の登録商標「ウォシュレット」が12月2日(水)、「日本ネーミング大賞2020」家電・ゲーム部門の優秀賞を受賞しました。
今回が第1回目となる「日本ネーミング大賞」(主催:一般社団法人日本ネーミング協会、審査委員長:太田光[爆笑問題])は、ネーミングの重要性を広く社会に発信することで産業の進展に寄与することを目的に、優れたネーミングを選出・表彰するために創設されたものです。
TOTOの温水洗浄便座「ウォシュレット」は、1980年6月より発売開始し、今年(2020年)で40周年を迎えました。ネーミングの由来は、「Let’s Wash!(さあ、おしりを洗いましょう!)」を逆にしたものです。
「ウォシュレット」は、日本を代表するコピーライター・仲畑貴志氏による1982年のテレビコマーシャル「おしりだって、洗ってほしい。」で一気に認知度が上がりました。しかし、“おしりを洗う”という新しいトイレ習慣は実際に体感いただかないと価値が伝わりにくく、ウォシュレット搭載車でのデモンストレーション、設置場所を地図にまとめたパンフレットなど、さまざまな認知活動を展開しました。また、1986年のアメリカを皮切りに、日本と同じ「WASHLET」の商品名で海外展開を進めてきました。
今では海外での出荷台数が年間63万台(2019年度実績)、累計出荷台数(日本+海外)は2020年4月に5300万台を突破。日本国内での温水洗浄便座の一般世帯への普及率(他社品含む)は80.3%(2019年、内閣府調べ)となり、日本では“おしりを洗う”習慣が当たり前となりました。TOTOは、海外でも“おしりを洗う”習慣を更に広めるべく、「WASHLET」のネーミング(ブランド)を世界中に広めていきます。
<ご参考>「ウォシュレット」40周年のニュースリリース(2020年6月23日発行済) https://jp.toto.com/company/press/2020/06/23_010566.htm
1964年12月より輸入販売した アメリカン・ビデ社の 「ウォッシュエアシート」
ウォッシュエアシートは、痔を患っているなど紙でおしりを拭きづらい方むけに開発された医療用で、「温水の温度が安定しない」「浴び心地が悪い」といった課題のある商品でしたが、“清潔で快適なトイレ”という新しいニーズへの手応えをTOTOにもたらしました。
1978年11月、このニーズに応える新商品の自社開発を決断し、ICとセンサーによる高度な温度制御などを一新した温水洗浄便座「ウォシュレット」が、1980年6月に発売されました。
中国での「卫洗丽」のロゴマーク
外来語も含めて全てを漢字で表す中国では、例えばマラソンは「马拉松(マーラーソン)」のように、中国語での発音が近い漢字を組み合わせて表現します。
「WASHLET」も例外でなく、中国での商品名は「卫洗丽(衛洗麗・ウェイシーリー)」となります。当てられている漢字も、「“衛”生的におしりを“洗”って綺“麗”にする」という意味になっています。
「エアインワンダーウェーブ洗浄」の水玉吐水
「バルーンジェット技術」による水玉吐水
ワンダーウェーブ洗浄搭載機種は1999年から、それ以外では2012年から、おしり洗浄を“水玉連射”方式に順次切り替えてきました。現在発売している海外含めた全ての「ウォシュレット」は水玉連射になっています。
水玉連射にすると、従来の半分以下の水量でも、たっぷりした浴び心地を実現できます。それまで上位機種の「ウォシュレット」は、お湯を貯めるタンクが横に飛び出した“貯湯式”で、水量をたっぷりつかうことで洗浄感を出していました。1999年、「ワンダーウェーブ洗浄」の開発により、1秒間に約70発の水玉連射することで、洗浄水量の限界から洗浄感に課題のあった“瞬間式”でも十分な浴び心地を実現。また長く使用する際に、途中でお湯が切れることもなくなりました。以降、ワンダーウェーブ洗浄搭載機種はタンク不要の瞬間式となり、すっきりしたシンプルデザインとなりました。
一方、ワンダーウェーブ洗浄も進化をつづけており、2017年以降は水玉に空気を含ませて大粒化して浴び心地を向上させた「エアインワンダーウェーブ洗浄」が搭載されています。
ちなみに、1999年以降グローバルに展開されている現在の「ウォシュレット」のロゴですが、「e」の上の2つの点はワンダーウェーブ洗浄の水玉を表現したデザインとなっています。